医会からのメッセージ

医会のポリシー

皮膚科医の方へ

われわれの医会は神奈川県医師会の皮膚科分科会で、県内で皮膚科の診療や研究などに従事する皮膚科医が中心となって組織されています。すでに会員として様々な企画に参加されておられる先生方とは、引き続き「ともに学び、ともに楽しむ」スタンスで医会活動に参加してください。例会などに参加できない先生もいらっしゃいますし、神奈川県にいながら医会の存在をご存じないため入会していない先生もいらっしゃるかもしれません。学問にとどまらず、実地診療で遭遇するさまざまな疑問や問題点、さらには一般生活にいたるまで仲間と話し合う場が医会です。保険診療上の疑問点や最新情報なども、タイムリーに発信しています。これを読んで興味を持たれたらぜひ入会していただき、お互いに知識を増やし技術を高め、感性を磨く。活動はあくまでも個人の自由意志によるものですが、共に自らを磨き、律する心を養おうではありませんか。

皮膚科以外の医師や歯科医、薬剤師、看護師など医療に従事される方々へ

医会は学術団体であり、皮膚科医の親睦や共益を図るためだけに存在するのではありません。皮膚科医療を通して社会全般に貢献することをめざしています。皮膚科医のレベルアップを目指した研修機会を設ける一方で、往診をはじめとした在宅医療や訪問看護、学校専門相談医など、地域医療、チーム医療にも積極的にかかわっています。さらに、様々な分野からの皮膚科講師派遣要請に応える体制を整えました。看護や介護などの職種からは、「皮膚がQOLを維持する大切な臓器であること」「子供から高齢者まで各年齢に応じたケアの仕方があること」は分かっているが、詳しく具体的に教えてほしい。歯科を含めた他科の医師からは「金属アレルギーや薬疹など、原因のみつけ方を教えてほしい」などといった要望が寄せられますが、講師を探せない地域もあるようです。医会では「在宅医療委員会」、「広報イベント委員会」を中心に最適な講師を探して派遣いたしますので、どうぞ遠慮なくお問い合わせください。

製薬業界や医薬品流通業界の方へ

法人会員の方々には総会や例会のご案内に加えて、機関誌「神皮」などで医会の活動を報告しています。年に3回開催している例会は、皆様にとっても有益な内容が企画されていることと思いますし、例会を共催される際は絶好のプロモーションの場と考えております。共催していない例会でも、法人会員として遠慮なく参加していただき、医会活動が皆様と皮膚科医の情報共有を作る場になればと思います。また、皆様と共催するさまざまな講演会や勉強会は我々にとって重要な生涯学習の機会であり、より有意義なものになるよう企画段階から協力させていただきたいと考えています。

最後に“われわれの活動や考え方”をもっとも伝えたい一般の方々へ

皮膚は肉眼で見える臓器ですから、異常があれば誰の目からも分かります。ということは、何かが起こったときに必要なのは血液などの検査よりも、まず熟練した皮膚科医の“眼”でじっくり詳細に診察することなのです。神奈川県皮膚科医会では、皮膚科医に求められる“眼”を養い、知識を増やし、技術を向上させるための生涯教育に力をいれています。皮膚に何かが起こったときには、迷わず皮膚科医を訪れてください。

皆様に、皮膚のことをもっと知っていただきたいと思います。皮膚は内臓におこった病変を表すことがあり、「内臓の鏡」ともよばれます。皮膚の変化が手がかりになって、重大な内科疾患が発見されることがありますが、なんと内科の症状よりも皮膚症状のほうが先に出ることもあるのです。また全国の高齢者を調べた結果、湿疹や感染症などによる皮膚のトラブルが“QOL”を大きく悪化させているというデータがあります。内からも、外からも、皮膚とは上手に付き合っていただきたいと思います。

医会では市民の皆様に皮膚、皮膚病のこと、皮膚科の診療などを正しく理解していただくために、毎年11月12日の「皮膚の日」記念日前後に、市民公開講座を開催しています。また、寝たきりや介護力の事情から通院できずに皮膚病で悩んでおられる場合は、医会のホームページにある、地域別「往診皮膚科医リスト」で検索できますのでどうぞご活用ください。

神奈川県皮膚科医会は、“皮膚のことは皮膚科に任せなさい!”と胸を張って言えるように、新しい医療情報や技術をはじめとした皮膚科診療の研修と医療の向上に努めています。そして、あかちゃんからお年寄りまで生涯続く皮膚との付き合いを通じて、皆様の健康生活を応援していくために活動しています。

神奈川県皮膚科医会会長 川口博史